「雨になるか雪になるか。」

「雨になるか雪になるか。」
最も売れてるお天気の本
  雨になるのか雪になるのか、地上気温は3℃がその境目だと言われます。
上空に行けば気温が下がることは以前のページの「気温減率」のところでお話しましたが、この「気温減率」に従えば冬の上空は氷点下です。空の上で造られる雲は、雨粒ではなく氷の粒が集まって出来たものです。問題はこの雲の中で成長した雪の粒が、地上に到達するまでに融けてしまうかどうか。雪が地上に近づくにつれて気温が上昇し、雪が融け始めたとしても、一瞬のうちに融けて無くなる訳ではありません。溶けて無くなる前に地上に到達すればそれは雪と判断されます。また空気が乾燥していると、地上気温は3℃以上でも雪になります。参考のために『雨、みぞれ、雪の判別表』を載せておきます。確実にこの表の通りになる訳ではありませんが、一応の目安にはなります。

それでは何故、空気が乾燥していると、気温が高くても雪になるのでしょうか?

 焼海苔とかお煎餅とか乾いたものを外気にさらしておくといずれ湿気ってしまいますよね。乾燥した空気は水蒸気を呼び込みます。空気が乾燥していると洗濯物は良く乾きます。雪は水分が凍った状態ですから、乾燥した空気の中に雪が落ちてくると、雪の表面から「昇華」(雪が直接気体になる)が始まり水蒸気となって空気中に入り込んで行きます。

「昇華」は熱を必要とします。雪は、熱を吸収してはじめて水蒸気になることができます。では、その熱は一体何処から来るのでしょうか?・・・それは水蒸気に変化しようとする雪の周囲からです。ここで雪を中心部分と外側の二重構造として考えます。水蒸気に変化して行く外側の雪は水蒸気に変化しない雪の中心部分と、自分より外側の大気から熱を奪い取ります。

 空気が乾燥しているほど昇華は進みます。昇華が進めばそれだけ周囲の空気を冷やし、同時に自分の中心部分をも冷やして雪は融けにくくなり、地上に降りて来ることができるのです。

【前頁にもどる】  【サイトマップにもどる】  【次頁に進む】

タイトルとURLをコピーしました