それでは自由対流高度に達した空気塊は、その後いったいどこまで上昇を続けるのでしょうか?
自由対流高度を越えた空気塊の気温は「湿潤断熱線」に沿って下がって行きますが、それに対して今度は周囲の気温の下がり方が変わってきます。対流圏では上空に行くほど気温が下がりますが、そのすぐ上の成層圏では逆に上空に行くほど気温が上がります。これは成層圏の中腹にあるオゾン層が、太陽からの紫外線を吸収して加熱され、高温になっているからです。1000m上昇するごとに6.5℃下がった気温減率線の右肩下がりの傾きは、成層圏に近づくと伴に徐々に小さくなり、やがて成層圏に入ると右肩上がりに変わって、高度と伴に気温が上昇していきます。この線と「湿潤断熱線」とが再び交わり、周囲の気温と等しくなった時点で空気塊の上昇は止まります。発達した積乱雲はこれ以上上昇することが出来なくなり、横に広がって「かなとこ雲」が形成されます。この高さが対流圏と成層圏の境目、すなわち「対流圏界面」です。この高さよりも上が成層圏になります。
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